検査な一日
大腸の検査は、その前日からはじまることが多い。
水溶性の下剤を500mlの水に溶かしたものを、19時と21時に半分ずつ飲む。
ある程度お腹の中をきれいにしてから、本番に臨むわけだ。
検査当日は2~3時間かけて2リットルもの下剤を飲むことになる。
私自身が飲んだ時は、最初の30分で1リットル飲んだ気がするが…年齢によっても違うのかも。
とにかく1合180mlの薬を10分から15分かけて飲み、2杯目も飲んだら、お茶か水を180ml飲む。
お水かお茶は途中で飲み始めてもかまわない。
脱水症状にならないようにするためだ。
というわけで、母の大腸検査帯同の一日がはじまった。
検査室に通じる廊下の前に前処置の部屋があり、5組くらいの患者がもくもくと下剤を飲む。
とにかくまずいまずいといっこうに薬が進まない母だが、おいしかったら一気飲みしてしまうからまずいんだよとわけのわからないことをいいつつ、励ましながら飲ませる。
絵がついたチェック表に飲み始めた時間などを書き込む。
お茶を用意したのは、お水だと下剤と見た目が一緒なのでまぎらわしいというのと飲みやすいと思ったから。
でも400mlほどお茶を飲んだ母が飲みづらそうなので、途中からお水にした。
お水は部屋の端っこにウォーターサーバーらしきものがあり、自由に汲んでこれるのだ。
何度も往復していると、ほかの患者さんと看護師さんが話しているのが聞こえた。
『水道のお水でよければ、あそこ(ウォーターサーバー)にありますからね~』
なんだ、水道水なら手前に水道があるではないか…まっいっか。
下剤は最低でも1リットルは飲むことが決められている。
便は5段階のものが写真付きでテーブルに置かれ、最終的にカスがない状態までもっていく。
夜中にけっこうトイレにいっていた母は、ほかの患者さんみたいにトイレにいかない。
ようやく既定の1リットルが終わった時は、後からきた婦人に抜かされていた。
部屋の一番端の男性も苦戦しているようだ。
人それぞれなので焦らせてはいけない、と思いつつ、
『ちょっとあのおばあさん、もうあれだけ飲み終わったよ、負けてらんないよ。』
とせかしているのは私で、人それぞれでしょ、と母に言われるしまつであった。
トイレから戻った母に、何番だった??と聞く。
チェック表に書き込むのだ。
③かなあ。
ちっ
写真⑤のように無事にカスがなくなれば、トイレからナースコールすることになっている。
次は見切り発車でも、呼ばせるか。
次にトイレに行ったら、私もついていって看護師さんより先にチェックしよう。
よしっ と思っても看護師さんは「んーーあともう一歩ですね」
なんとっ!!!!
にしても、看護師さんには頭が下がる。
見ず知らずの人の排泄物や吐しゃ物をじっと観察するのだ。
私など入院時に「(吐いたものに)お薬は混じってないようですから大丈夫ですよ」なんてさわやかにいわれたものである。
遠い目をしていると、母がまたトイレに行ってくると言う。
よし!! ついに⑤かもっ 私はまた母にくっついていき、終わったら目視でチェック。
今度こそ!!!!
OKであった。
無事に検査に送り出し、顛末をお昼休みであろう愚弟に報告した。
そのあと思い出したように、でコロナはどうした?? とたずねてみる。
バファリン飲んだらいきなり治った と。
聞くんじゃなかった。
検査が終わると母はけろっとしている。
次に主治医の診療だ。
先週のCTの結果は、術後1年で転移や再発はなし (風邪をひいていたようだったけれど)炎症反応もなく肺もきれいだったと。
ほっとしたのもつかのま、さきほどの内視鏡検査で新たなるポリープがみつかったのだ。
小さいし、今日明日切らなくてもいいとのことで、このあたりでは一番腕がよくて評判のY医師の予約を新年に入れてもらった。
私は憂鬱だった。
またこの検査をするのか…いや入院して看護師さんが??
帰って爺に報告すると、昨晩はほとんど寝ていなかった私は9時に寝てしまい、翌朝は7時に起きた。
若者並みに寝てしまった…。
昨晩は台所の排水のゴミもとらずに寝ちゃったか…とゴミの袋を探していると、母がお茶の残りをシンクに捨てようとしたので
ダメダメ まだゴミ捨ててないからこっちに! と洗い桶に捨てさせる。
ん…どっかでみた光景。
洗い桶に捨てられたほうじ茶は写真⑤になった便の状態と酷似していた。
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