啓蟄もすぎ
お風呂場にちっこい蛾がいた。
爺は蛾と蝶が苦手。
蛾、退治しといたから…。
と言ったらありがたがられた。
蜘蛛にくらべたら、なんのその、だ。
で、思い出した。
昔、伊豆の宿に一人で泊まっていたら、ベッドの下に蜘蛛登場。
あしだか軍曹ではないものの、足をひろげたら5センチくらいある。
私は電気を消して寝てしまうなどの勇気を持ち合わせておらず、ただただ絶望と一緒に膝をかかえていた。
目をそらすこともできず、人を呼ぶこともできず、やつをとびこして部屋の外にもいけず、囚われの身同然となっていた。
そんな時に、ふと…。
少女時代に読んだ雑誌、なかよしだったのか別マだったのか、はたまた少フレだったのか思い出せないが、
おまじないコーナーというページに「蜘蛛の追い払い方」というのが載っていたのを思い出した。
危機管理というか、人というのはこんな時に脳にしまわれたすべての情報の引き出しがあくんかな、絶体絶命の時には特に、なんて思った。
それは蜘蛛にむかって、ここはおまえのいるところではない、おまえのいるべきところに帰りなさい、と優しく話しかけるというものだ。
そして、極めつけはふうっと最後に息をふきかけるという…。
蜘蛛に話が通じるのかわからないが、とにかく言ってみた。
が、息をふきかけるにはわりと近づかなくてはいけないと思い当たり…。
へっぴりごしで、ふうっと息をふきかけたら、
ちらっ
と見られた気がして、腰が抜けそうになってベッドの真ん中に戻った。
どうしよう…。
と思いつつ、朝4時に起きて伊豆に来て2本潜って…という疲れがでたのか、
電気をつけたまま、しばしうとうとしてしまったらしい。
はっとしておきると、蜘蛛はいなくなっていた…。
ベッドの下を見るのもこわいし、かといって電気を消したらどっかから出てきて…きゃっ!!!!!
結局そのまま変な体勢で寝てしまったけれど、翌朝どこを探してもみつからなかった。
あのおまじないがきいたのだと思うと同時に、自分で自分に同情した。
蜘蛛がこわくなかったら南の島にも住めたものを。
オファーがなかったわけではない。
どこも人手不足なのだ。
フィリピンの新しいリゾートなど、、、どんだけの大物と対峙するのかと考えただけで恐ろしく。
カリブの島では、タランチュラもいるというし。
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