母が退院するという朝、起きるとキッチンの入り口に一文字ずつ書かれた小さい紙が並んで掲げられていた。
爺作「ガーランドフレーム」だね。
なんか飾りもついてる。
小学生かっ!!!!
ふっふっふっ
ほほえましかったのではない。
誤字を見つけたのだ。
私はあえて訂正したものを差し替えたりせず、その文字の下に同じ大きさの紙を付けたし、
↑誤字 とした上で、正しい文字を加筆し、校閲mikiとした。
父は記者勇退前の最後の仕事が「校閲」だった。
その時刷り上がった名刺を嬉しそうに見せてくれたものだ。
親父と一緒になれたと。
祖父も校閲の仕事についたことがあり、父も憧れていた。
若いうちは夜討ち朝駆け、外回りの行軍が主だが、ベテランになるとデスクワークが多くなり…ということなのかと思っている。
そして、それを十分知った上での嫌味である。
しばらくすると起きてきた父が、小さい紙を持ち出し訂正しようとしている。
『直すんじゃないよ。そこの校閲者!』
高飛車に言う娘に
実は寝る前のこそこそ仕事中に、なんか違和感があったという父。
俺もそろそろボケがきたのかな、というので、気持ちが高揚してたんじゃない? とフォローしつつ、病院に向かう。
ぎりぎりまで診療もやっているみたいで、病院の表から入る。
もう母の準備はできていたし、私服なので普段と変わらぬ感じがした。
ドクターの話、といっても次回の外来の日にちのことだけで、食事の制限も入浴の制限もないようだ。
千葉から車を走らせてきた弟とロビーであい、父は会計、私は文書とバタバタする。
また、走りまわってしまった…ごめんなさい。
母を自宅に置いて、弟に任せて爺と再び外へ。
仕事納めを待っていたかのように電池が切れたタグホイヤーを持って時計屋さんに。
正月のものの追加買い物と母が食べたがっていたお寿司を買い、家に戻る。
少しだけれど、母はおいしいおいしいと食べ、お友達からの黒豆も一番のお気に入りのようでパクパク。
咀嚼せーよ。
これから少しずつ日常をとりもどそうね。
さっそく、リハビリ自主トレと書かれた手順書を見つけ、頭に叩き込む。
明日から、ジムのイントラよろしく指導するのじゃ。
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