五感をこえて
昨日…出勤途中の電車の中。
つり革をつかんでいた手をふと離した。
こんな時は、どこで感じているのだろう。
五感ではない…。
次の瞬間、つり革がぶら下がっている銀色のパイプからしゅるしゅるとちび蜘蛛が糸とともに降りてきて、今手を離したつり革に着地した。
私は下を向いて本を読んでいたのである。
右手でつり革、左手で本。
なのに顔をあげ、すっと手を離したのである。
秒で遅れたら、私の手に着地していたはずだ。
どんなに揺れても、もうそのつり革にはつかまることはできない。
蜘蛛は体調1ミリほど。
色も薄い。
おそらく、私にしか見えていない。
私の目線は、つり革からパイプに戻っていく蜘蛛にくぎ付けとなった。
そして蜘蛛はまたパイプからつり革に向かっていった。
つまり蜘蛛の巣をせっせとつくりはじめた蜘蛛から目が離せない状態。
まずい…空調が風向きを変えてきた。
ゆら~~ん
小さな蜘蛛は風にあおられて、反対側の手すりにつかまっている男性の頭に着地しかけて、また揺れて戻ってきた。
私の目線ときょどった動きが、暇な通勤客たちの目にとまりだしたころ。
電車が揺れて、揺れに乗じて私は横に5mほどスライドした。
私もドア近くに着地し、変な目で見られたのである。
明日は違う車両に乗ろう。
どんなに小さくても苦手なものは苦手。
帰りはJKに足を踏まれて、まだ痛い。
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