つらい治療は全部私が引き受けたい
早番の看護師さん達が帰っていき、誰もいない長い廊下の片隅で母を待っていた。
母は輸血をしていて、まだ2時間ほどかかるみたい。
今日は専門医の先生がいないので、非常勤の先生からお話を聞く。
横行結腸に、進行性の悪性腫瘍、つまりガンがはびこっている。
出血もそこからとのこと。
今日は飲めない後輩に強引にお酒をつぐ悪しき先輩のごとく、きっちりとした時間でモビプレップという下剤の入った水2リットルをどんどん紙コップについでいた。
チェック表もあり、180mlを2杯のんだら、お茶を180ml
これを6ターン。
ただし、大腸内視鏡は痛くなかったみたい。
ふーーん
それはよかった。
爺が心配して途中から来て、輸血の前に帰宅した。
先生が、おかゆなら…といっていたと爺に告げてはいたが、私がつくるつもりだった。
11時間ぶりに帰宅すれば、爺のかゆがグツグツしているではないか。
母もおいしそうにおかわりし、ぺろりとたいりらげた。
爺に報告すると、どうやら「渾身」の粥だったらしい。
痛くなるのはかわいそうだし、治療もしかり。
つらい治療は全部私がひきうけたいのに。
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