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2023年4月29日 (土)

告知今昔

祖父が胃がんに罹患して入院した時、病名を知らされたのは長男である父だけであった。

本人にも家族にも、父は口外しなかったのだが、態度でばれていたと聞く。

昔はガンというと、イコール死に至る病、というイメージでだいたい本人に病名は伏せられていた。

ところが今はかなり進行していても、ドクターは本人に知らせることが多いようだ。

まあ意識があれば、治療がただならぬものだとわかる。

抗がん剤の点滴にしても、いつもは一人でぶら下げにくる看護師さんが、二人でやってきて

「お名前をフルネームでお願いします。」

いや今朝「〇〇さん、おはようございます。」と、みえたばかりじゃまいか…。

などと言っている場合ではない。

薬の名前と量と患者の名前を復唱し、二人で確認しあいながらの作業だ。

それに「こんな薬で治療していきます。」と数日前に予定表が渡されるのだ。

隠したとして、ネットで薬なんていくらでも調べられる。

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手術して切って終わり、ということもない。

外科的手術をしても、その後の治療はやはり違う。

私などは、耳に刺激のある『白血病』という病名を眼科で聞いて、血液内科にまわされたのである。

が、絶望感とかそういうのはなく、ひたすらこれからのことを考えていたように思う。

一緒に頑張りましょう、とドクターと看護師さんに云われるのである。

勝算はありますか?

私は最初の時、2回の再発の時、いつも聞く。

もし治療が気休めならば、つらいだけの時間を回避して、やりたいことをしたい。

昔、ビビリの私はガンになっても告知はしないで欲しい、最期の瞬間までだまっていてほしい、と考えていた。
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でも、実際病名を告げられても、いささかも動じないというと嘘になるが、意外と冷静であった。

ただし、まわりには天地がひっくり返るほどの衝撃を与えたのである。

あの元気なだけが取り柄で、病気で学校や会社を休んだことなどない、あのmikiが…。


死ととなりあわせで、死と向かい合っても、悲しいというよりは「せつない」気持ちはある。

病名を告げられた男性が、妻には言わないで下さいね、と主治医に言うケースもあるようだ。

その気持ちはわかる。

でも、医療はどんどん進化している。

数年前、注射より点滴がいいと言われていた「とある抗がん剤」も、今では筋肉注射を隔日に受けることに変わったり。

そして進化のお手伝いができるのが、患者だ。

医大に入院する時に、確認される。

嫌なら断ってもいいらしいが、私はいつでも、それこそごはんを食べていようが、苦しくて人と顔をあわせたくない時でも何人でも病室に入ってきてOK。

せめて無駄死にしないで、人の役にたってから…などと思ったりしたものだ。

年ごとは難しいので、月ごと、一日ずつ重ねていきましょう。

何でも主治医のいうことは聞く私も、それは受け入れ難かった。

私の寿命は、私が決めよう。

その気持ちは変わらない。

もうすぐ診断がついて6年となる。

5年以上生存している。

しかも元気で。

これを一日ずつ伸ばして(って)

いろいろ矛盾を抱えるのが患者でもある。

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コメント

大変ご無沙汰です。
どうされましたか⁈
ちと心配です。

tsukasa-kei様 こんにちは

いえいえ、ご心配おかけしまして。
なんか、ちょいと感慨深げな自分でありました。
今はすっかり元気です。
メンタルも。
5月病でもないし。

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