mikiログ的怪奇譚~百ものがたり~第41夜~
無事に帰宅…。
今夜は、百ものがたりと骨折り日記のコラボですヘ(゚∀゚ヘ)
ああ百いったから、骨折ったんだろ??
いえいえそんなんじゃないっす!! 断じて!!
ということで、入院していたさなかのことでございます。
これって102話でいいんだっけ??
~~~~~
病棟には昼夜を問わず入院患者がひきもきらず。
田舎町にあるこの病院も整形外科だけで年間800人ほどが入院するという。
内科ではないので、みな食欲もあり、口も達者だったりする。
退院まであと数日、という時に入院してきた、さるご婦人がいた。
彼女にはお年特有の症状が見られていたが、口調はいたって品のいいものだった。
昼間は寝ていて、夜になると一睡もせずにずっとおしゃべりするので、スタッフステーションの方にベッドごと移動させられる、という毎日。
「こんなとこにいる場合じゃないんですの。今日は息子の上司がおみえなんです。」などとしっかりした口調でのものいい。
今朝も「だれか玄関にきてちょうだい!!」といい、ちょうど面会に来ていた近くの患者さんのご家族が「看護師さんをよびましょうか?」と聞けば「いえ、うちの者がおりますから。」と。
いいおうちの賢夫人だった様子が窺える。
ある晩のこと、案の定9時の消灯後すぐに賢夫人が話しだした。
「ええ、これから本を300冊片づけなくてはなりませんの。ですから、その手を離して下さいませんか?」
「兄から一時的に預かったものでしてね…。ですから忙しいんですの。」
「どうぞ、おはなしになって。」
「では、わたくしが戻ってくるまで先にここで横になってらしてもよろしいですわよ…。ですからお願い、手を離して下さい。」
私は点滴の管とか何かが煩わしいんだろうな、と思って聞いていた。
そうして「離して下さい」と20回ほど言ったあとに「わたくしは○○といいますの。奥さまは?? …そうですか、言いたくないのですね。寂しいですわね…。」とつぶやいた。
『はいはい、○○さん!! 移動しますよ~~っ』
看護師2人があらわれて、ベッドを移動する気配がカーテン越しに窺える。
『お、おもっ』歳かさの看護師。
『私側ですかね、すみません…あら…なんか重いですね』と後輩看護師。
ガタガタと進むベッドの上で賢夫人が言うのが聞こえた。
「だって奥さまも一緒ですもの。」
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退院おめでとう。
イケメンの何人かお祝いに連れてきてません?
少しばかり重くなってるかもです。
っつうか、23gでしたっけ?
魂の重さって。やぱ、立派な奥様たちは、
もっと重さが違うのかな?
投稿: tetujin | 2017年2月22日 (水) 23:45
tetujin様 こんにちは
重ねてきた人生の重みでしょうか。
実は、先に退院していった、やはりご高齢のご婦人
ですが、この方は下町のおばちゃんという風情でした。
寝ている時のねごとに「このくそばばあ!」という
のが聞こえましたので、同じ奥さまがいたのか、
似たようなおばちゃんがベッドサイドにきたのか
不明です(笑)
投稿: miki⇒tetujin様 | 2017年2月23日 (木) 06:04