mikiログ的怪奇譚~百ものがたり~第40夜~
友達のKちゃんが風邪でダウン。
お見舞いがてらのヒアリングにて、92話を無理やり完結( ̄▽ ̄)
~~今までのお話~~
Kちゃんのご実家の近くには浜があり、小さい時から連絡船が行きかう様子がみえたものでした。
東京では鉄道に身を投じる人が多いのですが、鉄道網があまり発達していない海況近くでは、何かの事情でこの世を離れるのに、連絡船から身を投じる人が後をたたないようでした。
誰かが身を投じたと知らせが船内を駆けめぐれば、その船はあたりを数周まわって、その人を探すそうですが、みつからなければ汽笛を残して船は航海を続けます。
そのぐるぐるまわる様子を遠くに見ては、今日も人が身を投げたんだな、と怖かったみたいです。
~~~~
だって、みつからなかったその人はどうなるの??
☆92話☆完結編☆
時々は漁の網にひっかかって、手厚く葬られることもあるそうで、そんな時は大漁の吉兆ではないですが、悪いことは決してなかったといいます。
ただし海の底深く沈んでは、誰にも見つからない人がほとんどのよう。
ある日、Kちゃんの妹さんと仲良しグループは浜で遊んでいました。
女の子って、浜で貝殻やきれいな石を拾ったりするのが好きですよね。
その日も女の子達はきれいな石を探していました。
南の海ならばサンゴのかけらでもうちあがることもあるのでしょうが、北国では荒い波に削られたすべすべの石が女の子達の宝物でした。
Kちゃんの友達がみつけた石…のようなものはかわっていました。
その友達をAちゃんとしましょうか。
「Aちゃん、やめなよ、気もち悪いよ。」
「それ、石と違うよ。」
みんなの反対を押し切って、その変わった戦利品を持ち帰ったAちゃん。
Aちゃんは、その日を境に自部屋に閉じこもるようになり、二度と学校に来ることはありませんでした。
何かが部屋にやってくるそうで、暗くなっても部屋の電気はつけず、その何かが部屋にやってきた時には、勉強机のライトをつけるから、とのことで、Kちゃんの妹さんとその仲間達は、Aちゃんの勉強部屋の下から、暗い部屋にポッと灯った明かりを見つめる事しかできなかったようです。
まだ霊感が開眼していない時代のKちゃんは妹さんに相談されても、どうすることもできずにいたそうです。
Kちゃんが高校に進学して、Aちゃんのお兄ちゃんと同じクラスになった時に、「よく妹が○○(Kちゃん名字)の家にいってたよな。」としみじみいわれて、はたと思いだしたと。
人は狂い死にするということを早くから知ってしまった、また自責の念にかられつつ生きるAちゃんの友達だったみんな。
浜からはいろんなものを持ち帰らない方がいい。
とくに人の骨なんかは。
(了)
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