ため息の行方
確か俳優の渡辺裕之さんだったと思うのです。
ダイビングは、潜る前にひとつ「息を捨てる」ところがいい、といっていたような気がするのです。
ご存じのように、潜る時はレギュレーターという器具を口にしていますが、そのまま息をしようとすると海水が口に入ってきます。
息を吸う前に、必ず息をひとつ吐きます(パージボタンを押してもいいんですが)
息をひとつ、渡辺氏の言葉を借りると『息をひとつ捨ててから』潜ります。
ふっと息を吐くと、肩の力が抜けます。
肩に力が入っていると、うまく潜れません。
力を抜くとすっと潜れます。
穏やかな海なら、足を下にしたまま、早く潜る必要があれば頭を下にして…。
自分の捨てた息のひとつひとつが、きれいな泡となって海面に昇っていきます。
渡辺氏はもっと哲学的な事を言っていたんだと思いますが。
まず、捨てる。
静謐な海底の白砂に反射して
さらさらと優しく動く陽の光
時がとまり
音もなく
胸の鼓動だけ
感じている
ため息ひとつふわりとのぼる
空に届かず
そよ風にもふれず
水面にぶつかりくだけるだけ
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今日の日記、心に染みました。
素晴らしい!
投稿: PADDOCK | 2011年5月 8日 (日) 01:28
おはようございます
自分の息が海の中で具体的に見える。
陸上にいると見えないものが見えてくる。
その経験をした人しかわからない世界。
もっと、知りたいと思いました。
投稿: nadoyama | 2011年5月 8日 (日) 06:20
はじめまして


いつもポチッとありがとうございます
「捨てる」っていうのは生きていく中でも
たびたび必要なことのように思います
陽の光の画像、とっても素敵ですね
私は潜ることはやったことないんですけど
家が海の近くで
くじけそうになったときいつも浜に行って
海風にあたるようにしています
不思議と元気が戻ってくるから・・・
潜ったらもっと得るものがありそうだなぁ~と
読んでいて思いました
投稿: Romi | 2011年5月 8日 (日) 09:31
ごぶさたしています。
いつもご覧頂きありがとうございます。
照れますっ
潜降のひとときは、ほんとにいいですよね。
投稿: miki⇒PADDOCK様 | 2011年5月 8日 (日) 11:58
おはようございます。
息はすわないと、空気が出てこない。
自分ってこんな呼吸の仕方してたんだぁと思う
時ではありますね。今では無意識ですが…。
自分を見つめるのにいいですね。。
投稿: miki⇒nadoyama様 | 2011年5月 8日 (日) 11:59
はじめまして こちらこそいつもありがとう
ございます。
体全部を海に沈めると、深い青に体も心も
溶けていく感じがします。
その瞬間やはりデトックス(笑)いろんな意味
で浄化されます。『海はいい!』眺めるだけで
も充分です。が、機会があったらぜひ!!
投稿: miki⇒Romi様 | 2011年5月 8日 (日) 12:02
王様の耳はロバの耳
自然を裸で受け入れる
何時頃からだろう・・・
こんなに考えて生きてる
苦しくて飛んだことも
世間の柵を掻き捨てて
気が付くよね・・・な~んだ
此処に僕がいる.。o○
自然体 ニコッ
無防備な...お魚?
投稿: mid night 7 | 2011年5月 9日 (月) 22:55
こんばんは 渡辺氏以上の哲学者…ですねぇ。
なかなか俗世から離れられず、場所を水中に
移動したところで…って感じですかね。。
修業せねば…爆
投稿: miki⇒mid night 7様 | 2011年5月 9日 (月) 23:10